試料の利用を伴うデータ利用申請

最新のお知らせ

成人T細胞白血病に対する同種造血幹細胞移植におけるKIRアレル多型の意義の検討

研究の目的

同種造血幹細胞移植の成否にはドナー免疫担当細胞が重要で、その働きは大きく二つに分けられます。すなわち患者さんの正常な細胞を異物とみなして攻撃する移植片対宿主病(graft-versus-host disease: GVHD)と患者さんの体内に残存する腫瘍細胞を攻撃する抗腫瘍免疫(Graft-versus-tumor effect:GVT効果)です。このバランスはドナーと患者の相性によって決まるため、最適なドナー、すなわちGVT効果を十分に発揮しつつGVHDのリスクが少ないドナーを選定することが重要です。現在のドナー選定は主にhistocompatibility leukocyte antigen(HLA)の適合度に基づいて行われていますが、治療成績のさらなる向上にはHLA以外の要素も加味したより優れたドナー選定法の開発が求められています。
近年、NK細胞という細胞がこのバランスの制御に重要な役割を担っていることが分かってきました。NK細胞の働きはその表面にあるkiller immunoglobulin-like receptor(KIR)という分子によって調節されます。KIRにはアレル多型と呼ばれる細かい多型が存在し、その機能に関係することが最近分かってきました。同種移植ではドナーのKIRアレル多型がドナーNK細胞の働きを左右している可能性がありますが、実際に移植成績にどのような影響があるかは明らかでなく、特に本邦での解析はありません。そこで今回、KIRのアレル多型と移植成績との相関性についての解析を計画しています。本研究により、KIRのアレル多型診断を組み合わせることでより適切なドナーが選べることが分かれば、ドナー選定法の改良、ひいては移植成績の向上につながることが期待されます。


研究の方法

2007年1月から2016年12月の間に本邦で施行された成人T細胞白血病に対する非血縁者間骨髄移植症例を対象に、日本造血細胞移植データセンターと日本赤十字社より提供を受けたドナーおよび患者の検体を用いてKIRのアレル多型をシークエンス法で解析します。日本造血細胞移植データセンターの臨床データと照合することで、KIRのアレル多型と再発、GVHDなどの移植成績との関連性を検討します。


研究実施期間

承認日 ~ 2024年03月31日を予定しています。


研究計画書

  • 研究計画書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
  • 研究計画書_第2版(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
  • 研究計画書_第3版(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)

倫理審査結果通知書


研究組織

京都大学医学部附属病院 血液内科
京都大学大学院医学研究科 疾患ゲノム疫学
日本造血細胞移植学会 ATL ワーキンググループ


個人情報について

同意を得た上で日本造血細胞移植学会に報告されている情報や保存試料を用いるため、追加の検査はありません。試料および臨床データは完全に匿名化された状態で取り扱います。
情報を本研究のために使用されたくない方は、あらかじめご連絡いただければ解析対象から除外いたします。このような場合でも、治療において不利益を被ることはありません。ただし、既に匿名化されていて除外不可能な場合には、ご希望に添えないこともあります。本研究は、倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けています。


問い合わせ先

研究責任者:京都大学医学部附属病院 血液内科 進藤岳郎
(Tel) 075-751-4964 (E-mail) takeros@kuhp.kyoto-u.ac.jp
病院の窓口:京都大学医学部附属病院 相談支援センター
(Tel) 075-751-4748 (E-mail) ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp


〒480-1195
愛知県長久手市岩作雁又1番地1 愛知医科大学内
TEL:0561-65-5821 / FAX:0561-65-5822
QMS
FS 698007/ISO 9001
ISMS
IS 698006/ISO 27001
Copyright 2013- The Japanese Data Center for Hematopoietic Cell Transplantation All rights reserved.
page top