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自己造血回復後の染色体異常の出現と臨床経過についての検討
研究の目的
同種造血幹細胞移植後の生着不全は緊急での再移植が必要となることが多い一方で、自己造血の回復により生着不全を乗り越え、再移植を回避できることがあります。生着が得られずに自己造血が回復した場合、白血病や骨髄異形成症候群(MDS)ではない臨床像にもかかわらず、患者の骨髄血から染色体異常が検出されることがあります。この染色体異常は、前処置による造血幹細胞への影響と考えられますが、非常にまれな現象のため、その意義は明らかになっておらず、このような状態に対する再移植の適応についてもまだ明らかになっていません。
そこで、日本造血細胞移植学会(JSHCT)および日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)が実施する「造血細胞移植医療の全国調査」データベースを用い、この現象の臨床経過を明らかにすることを計画しました。
「自己造血回復後の染色体異常」の臨床像を明らかにすることで、このような染色体異常が見られた時の治療方針の適正化につながる知見が得られることが期待されるだけでなく、さらに、造血幹細胞移植後の二次がんの病態の理解にも貢献する成果としても期待されます。
研究の方法
- 二次調査の対象
この研究の主な対象は
・2016年までに同種造血幹細胞移植を受け、生着不全をきたした方
・移植後の染色体検査に白血病やMDSなど造血器腫瘍と関係しない染色体異常を認めた
です。全体でおよそ50-60例が対象となる見込みです。
- 調査項目
この調査で収集する項目は
・造血幹細胞移植の情報(移植時の年齢、原疾患、前処置、細胞源、など)
・移植後にみられた染色体異常の詳細な情報とその経過(治療法や転帰など)
です。
- 調査方法
上記の調査項目について、診療録から抽出した情報を施設の担当医から日本造血細胞移植データセンターに提出していただきます。情報はすべて通常の診療の中で収集されている情報であり、この調査のために新たに患者さんに検査などを行う必要はありません。データセンターから解析担当者(国立成育医療研究センター 加藤元博)にデータを送付し、解析を行います。
研究期間
倫理審査委員会承認後から2020年3月31日
調査期間
-
データ収集期間:2019年3月31日まで
対象施設の連絡責任医師・入力担当者の皆様宛てにメールにてご案内をいたしました。 ご施設での倫理審査の為、締切日までにご提出が難しい場合にはデータセンターまでご連絡ください。
- 二次調査票(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究計画書
- 二次調査研究計画書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
倫理審査結果通知書
- 国立成育医療研究センター 倫理審査結果報告書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究組織
日本造血細胞移植学会 GVHD以外の移植関連合併症ワーキンググループ(WG)
研究代表者
国立成育医療研究センター 小児がんセンター 加藤元博
WG責任者・共同研究者
大分大学 腫瘍・血液内科 緒方正男
個人情報について
解析担当者には患者の名前や電話番号など、個人が容易に特定できる情報は送られません。また、本研究の結果が公表される際にも、研究対象者のプライバシーの保護に配慮いたします。
問い合わせ先
研究事務局
国立成育医療研究センター 小児がんセンター 加藤元博
〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1
TEL: 03-3416-0181
E-mail: kato-mt@ncchd.go.jp