二次調査を伴う臨床研究

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移植後ムーコル感染症に関する後方視的研究

研究の目的

造血幹細胞移植後におけるムーコル感染症は、アスペルギルス感染症と比して頻度としては低いと考えられていますが、症状や所見などはアスペルギルス感染症に類似しており鑑別困難なことが多いとされています。特異的なマーカーや所見に乏しく、生前に診断に至らないことも多く、さらに病勢は急激に進行する重症例が多く、治療の遅れが予後に影響することが知られています。これまでに、本邦における移植後ムーコル感染症のまとまった報告はありません。本研究ではTRUMPデータベースを用いた解析、さらには二次調査を行うことで、本邦における造血幹細胞移植後のムーコル感染症の発症頻度・危険因子・治療・転帰・予後・画像所見・移植法変化に伴う年次推移、について調査を行います。本邦におけるムーコル感染症の現状を把握し、今後の最適な治療・マネージメントを明らかにすることで、移植成績の向上に寄与することを目的とします。


研究の方法

  • 二次調査の対象

    TRUMPにおいて、2007年から2017年の期間に造血幹細胞移植を受けた16歳以上の症例より、「その他の真菌感染症_菌名」「死因_主_その他」「死因_副_その他」「その他の合併症_その他_詳細」「副疾患名_その他」などのTRUMP入力記載欄で「ムーコル感染症名」が記載された症例(77症例)を二次調査対象とします。

  • 調査項目

    ムーコル感染症症例の発症割合、生存、転帰など。
    二次調査項目として、ムーコル感染症の診断、他の真菌による重複感染、ムーコル感染症の種類、症状出現、診断日感染臓器、初発症状、治療開始日、治療内容、治療転帰、発症時の状況(好中球数・抗真菌剤の使用・免疫抑制剤の使用・フェリチン・血清IgG・血糖管理に関する薬剤の使用・血糖コントロール状況・HbA1c・グリコアルブミン・空腹時血糖)、発症前の状況(糖尿病既往・デフェロキサミン使用・デフェラシロクス使用・ATG使用・真菌感染既往・化学療法レジメン数)、最終観察日と生存。

  • 調査方法

    JSHCT/JDCHCTが実施する「造血細胞移植医療の全国調査」2018年度全国調査までにTRUMPレジストリに登録され、「6.研究対象者の選定方針」の「選択基準」を満たし「除外規準」に抵触しない症例を調査対象とする。JDCHCTより参加施設へ二次調査票が送られる。参加施設では「造血細胞移植医療の全国調査」登録時に付与された匿名番号である造血細胞移植登録一元管理番号(一元管理番号)と移植日から調査対象を同定し、既存のカルテ資料から二次調査票に必要な情報を記載の上、JDCHCTに二次調査票を返送する。「造血細胞移植医療の全国調査」で収集されたデータおよび二次調査票データは、JDCHCTにてさらに別の匿名番号が付与された上で研究責任者に送付される。
    ムーコル感染症の画像に関しては、患者個人名やカルテ番号等の個人情報を削除した画像についてCD-Rにコピーし、郵送にてJDCHCTに郵送の上、パスワードは別便にてJDCHCTに送付する。CD-Rが必要な施設には研究事務局からCD-Rを郵送する。


研究期間

研究承認日~2022年4月


調査期間

  • データ収集期間:2020年3月31日

    対象施設の連絡責任医師・入力担当者の皆様宛てにメールにてご案内をいたしました。 ご施設での倫理審査の為、締切日までにご提出が難しい場合にはデータセンターまでご連絡ください。

  • 二次調査票(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)

研究計画書


倫理審査結果通知書


研究組織

日本造血細胞移植学会 GVHD以外の移植関連合併症ワーキンググループ(WG)

研究代表者
京都第一赤十字病院 血液内科 栗山幸大

WG責任者
大分大学医学部 腫瘍血液内科 緒方正男(2019年3月末まで)
自治医科大学附属さいたま医療センター 血液内科 仲宗根秀樹(2019年4月以降)

共同研究者
大阪国際がんセンター 血液内科 藤重夫
大分大学医学部 腫瘍血液内科 緒方正男
ときわ会常磐病院 内科 大島久美
国立がん研究センター東病院/中央病院 総合内科  冲中 敬二


個人情報について

「造血細胞移植医療の全国調査」では個人情報(プライバシー)を保護するため、患者およびドナーの氏名、現住所、電話番号を取得しない。調査対象医療施設内での患者およびドナーの同定のため、施設内でのみ氏名やカルテ番号情報との連結が可能となっている。本研究では、二次調査対象施設において一元管理番号を用いて調査対象が同定される。二次調査票データは、JDCHCTにてさらに別の匿名番号が付与された上で研究者の施設に送付される。データセットは研究者の手元に届いた段階では、上記のように二重に匿名化されている。本研究の全ての研究者はデータを取り扱う場合にはデータを保存するパソコンではパスワードロックをかけた上で、盗難、持ち出し、損壊を防止するための対策を講じる。


問い合わせ先

研究事務局
京都第一赤十字病院 血液内科 栗山幸大
〒605-0981 京都府京都市東山区本町15-749
TEL:075-561-1121  FAX:075-561-6308
E-mail:kuriyama-_-kodai-@hotmail.co.jp
    kodai-kuriyama@kyoto1-jrc.org


〒480-1195
愛知県長久手市岩作雁又1番地1 愛知医科大学内
TEL:0561-65-5821 / FAX:0561-65-5822
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