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成人T細胞白血病(ATL) に対する同種移植後の予後に移植前モガムリズマブ投与が与える影響に関する研究
研究の目的
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研究の概要
本研究は、ATLに対する同種造血幹細胞移植の予後に対して移植前モガムリズマブ投与が与える影響に関して解析する研究になります。
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研究の意義
ATLは、通常化学療法のみでは極めて予後不良であり、近年、移植可能年齢の患者に対して同種移植が施行されている。しかし非寛解例への移植の予後は依然厳しい。本邦においてはATLに対して世界に先んじて2012年からモガムリズマブが保険適応となっているが、2013年までの症例でモガムリズマブの移植前使用で重症移植片対宿主病(GVHD)が増加したことが報告されているため、移植前の使用には注意が必要である。また、この報告時には最終のモガムリズマブ投与から移植までの期間が50日未満の例で有意に非再発死亡率が高く、その結果全生存率も劣るということから実臨床においては50日は間隔を空ける例が増えていると予想される。しかし、50日以上経過した場合にもやはり依然としてGVHD増加のリスクがある可能性はあるが、前回の解析の段階では移植前モガムリズマブ使用症例数が限られており解析は困難であった。上述の通り現在は50日以上間隔を空けている症例が多いと予想され、50日以上間隔を空けた例での解析をより詳細に行えるものと期待できる。このように移植前モガムリズマブ使用に関しての情報が新たに得られることで、実臨床における移植前のモガムリズマブ使用を検討する際の参考となることが期待できる。
研究の方法
- 二次調査の対象
(1)対象者
2016年から2019年までの間に成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)に対して同種造血幹細胞移植を施行されている方
(2)選択基準
1) 2014年1月から2019年12月の期間に初回同種移植を実施され、「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」に登録された患者
2) 主疾患名が「その他の白血病」かつ「その他の白血病ー疾患名」として「ATL」が選択された患者
(3)除外基準
1) 「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」登録データの研究利用に不同意の患者
- 二次調査項目
1) 移植前ATLの治療(初回治療、初回救援療法、移植前化学療法line数、モガムリズマブ(Moga)治療)
2) 移植情報(移植前ATL病勢、GVHD予防関連)
- 調査方法
日本造血・免疫細胞療法学会のデータベースに含まれる情報に加えて二次調査を行った上で移植前のモガムリズマブ投与に関連する情報を調査した上で、解析を行います。この研究のために新たに患者さんに追加で負担をお願いして行うものではありません。
研究期間
- 2022年承認日から2025年12月まで
調査期間
- データ収集期間: 2023年12月まで
- 二次調査票(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究計画書
- 二次調査研究計画書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
倫理審査結果通知書
- 鹿児島大学 倫理審査結果報告書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究組織
研究責任者/研究事務局及び実施計画書作成担当者/統計解析責任者
藤重夫(大阪国際がんセンター血液内科)
実施計画書検討参加者
吉満誠(鹿児島大学病院血液・膠原病内科)
個人情報について
個人情報が公表されることはいかなる形でもありません。後方視的に過去の診療録を調査する際には、個人情報が特定されないやり方で情報を収集します。また、このホームページにおいて本研究を実施することについて公開し、問い合わせ等に応じます。患者さんからのご希望があれば、その方のデータは研究に利用しないように配慮いたします。
問合せ先
大阪国際がんセンター 血液内科 藤 重夫
〒541-8567 大阪市中央区大手前3-1-69
TEL: 06-6945-1181