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乳癌/卵巣癌既往があるAML・ALL・MDS患者における同種移植成績及び移植後のHBOC関連癌再発/発症リスクに関する検討
研究の目的
本研究の目的は、HBOC患者における同種移植後のHBOC関連腫瘍発症リスク及び治療/予防に関する課題を検討することにより、腫瘍易罹患患者群における同種移植の影響を多角的に評価し、同群における適切な移植戦略の検討を行うことである。
造血器疾患患者におけるゲノムシーケンスが拡充する中で、二次的所見として造血器疾患以外の腫瘍易罹患性症候群が診断される機会の増加が予想される。本研究を通じて得られた知見は、同疾患群に対して適切な移植治療を提供し、移植予後の改善をもたらすことが期待される。
研究の方法
- 二次調査の対象
(1)対象者
日本造血・免疫細胞療法学会(JSTCT)および日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)が実施する「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」のデータベース (TRUMP) に登録された症例
(2)選択基準
1) 移植時に乳癌あるいは卵巣癌の既往がある:「悪性疾患の既往」、「固形腫瘍」、「その他の背景疾患」の自由記載項目「疾患名」のテキスト情報から抽出する
2) 移植時年齢:16歳以上
3) 性別:不問
4) 移植時期:2000年1月~2021年 12月
5) 移植ソース:「ドナー種類」の記載が「同種(allogeneic)もしくは同系(syngeneic)」である
6) 主疾患名:急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、急性リンパ性白血病
(3)除外基準
「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」登録データの研究利用に不同意の症例
- 二次調査項目
1) 同種移植治療前の乳癌・卵巣癌の有無
2) 乳癌の病理学的分類
3) 乳癌・卵巣癌の診断(遺伝的検査による診断の有無、診断名)
4) 乳癌・卵巣癌に関連する遺伝子異常
5) 乳癌・卵巣癌の家族歴
6) 移植前に罹患した固形臓器腫瘍(診断、治療(化学療法、RARP阻害剤の使用、放射線療治療、手術治療)、治療効果)
7) 移植後の再発/新規発症(診断、治療(化学療法、RARP阻害剤の使用、放射線療治療、手術治療)、治療効果)
8) 最終転帰(生死、最終確認日、死因)
- 調査方法
JSTCT/JDCHCTが実施する「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」の2022年度全国調査までにTRUMPレジストリに登録され、「選択基準」を満たし「除外基準」に抵触しない症例を調査対象とする。JDCHCTより参加施設へ二次調査票が送られる。参加施設では「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」登録時に付与された匿名番号である造血細胞移植登録一元管理番号(一元管理番号)と移植日から調査対象を同定し、既存のカルテ資料から二次調査票に必要な情報を記載の上、JDCHCTに二次調査票を返送する。「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」で収集されたデータおよび二次調査票データは、JDCHCTにてさらに別の匿名番号(匿名ID)が付与された上で研究責任者に送付される。二次調査票にて、移植施行症例の診断時情報、移植前治療、移植情報、移植後治療、予後についての情報を収集する。同種移植後の一般的な情報についてはTRUMP報告されているデータを用いる。
研究期間
- 研究機関の長実施許可日から2028年11月30日まで
- 二次調査票(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究計画書
- 二次調査研究計画書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
倫理審査結果通知書
- 京都大学 倫理審査結果報告書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究組織
急性骨髄性白血病(成人)ワーキンググループ
1) 研究代表者
京都大学医学部附属病院・血液内科・ 特定病院助教 渡邊瑞希(PI)
2) 分担研究者
・京都大学医学部附属病院・血液内科・ 講師 諫田淳也
・京都大学医学部附属病院・血液内科・ 特定病院助教 竹田淳恵
・京都大学医学部附属病院・検査部・ 助教 新井康之
3) 共同研究機関
・造血細胞移植学会 WG 急性骨髄性白血病(成人) 責任者 / 愛知県がんセンター 血液・細胞療法部 柳田 正光
・九州大学 平林茂樹
・福井大学 新家裕朗
・国立国際医療研究センター病院 石山謙
・日本造血・免疫細胞療法学会(JSTCT)/日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)熱田由子
4) 既存情報の提供のみを行う機関
・国立がん研究センター中央病院・造血細胞移植科・ 客員研究員 渡邊瑞希(兼 研究代表者)
個人情報について
TRUMPを用いた造血細胞移植医療の全国調査では、個人情報を保護するため、研究対象者の氏名、現住所、電話番号を取得していない。施設内での研究対象者の同定のため、施設内でのみ患者氏名やカルテ番号情報との連結がTRUMPにて可能となっている。本研究では、二次調査対象施設において一元管理番号を用いて調査対象が同定される。二次調査票データは、JDCHCTにてさらに別の非識別化番号が付与された上で研究者の施設に送付される。データセットは研究者の手元に届いた段階では、上記のように二重に非識別化されている。
問合せ先
渡邊瑞希:京都大学医学部附属病院 血液内科
TEL 03-3542-2511/e-mail: mizukiwa@kuhp.kyoto-u.ac.jp