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移植登録一元管理プログラムおよび二次調査を用いた小児造血細胞移植における類洞閉塞症候群の予防・診断・治療に関する後方視的解析
研究の目的
2018年に類洞閉塞症候群(Sinusoidal Obstruct Syndrome, SOS)の診断基準の変更(小児EBMT基準)が、2019年にデフィブロチドナトリウム(DF:デファイテリオ®日本新薬株式会社)によるSOS治療が、それぞれ本邦に導入されたことで、造血幹細胞移植を受けた小児患者でのSOSの発生率・重症度・治癒率がどう変化したか、また、移植関連死亡率などの予後は変化したかを明らかにすることを本研究の目的とする。
研究の方法
- 二次調査の対象
(1)対象者
日本造血・免疫細胞療法学会(JSTCT)および日本造血細胞移植データセンター(JDCHCT)が実施する「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」のデータベース (TRUMP) に登録された症例
(2)選択基準
施設:本研究の実施許可が下りた施設
患者年齢:移植時年齢20歳未満
対象疾患:指定なし
ドナーソース:指定なし(自家/同種・血縁/非血縁・骨髄/末梢血幹細胞/臍帯血など全て含む)
移植病期:指定なし
移植回数:指定なし
移植年代:目的群は2020年~2021年の2年間分、対照群は2017年の1年間分
(3)除外基準
・「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」登録データの研究利用に不同意の患者(全国調査登録の際に研究利用不同意であることを明らかにしたうえで登録されている患者は、本研究のような研究利活用の場合には除外することが「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」研究計画書にて記載されているため)
・研究情報の公開により、移植施設を通じて研究参加の拒否の申し出があった症例
- 二次調査項目
① 全例で収集する項目
移植情報…SOS予防方法
SOS診断…小児EBMT基準、Baltimore基準、修正Seattle基準それぞれのSOS診断の有無
移植経過…転帰、最終観察日、死亡例では死因
②SOS診断例で収集する項目
小児EBMT基準…診断日、以下の5つのうちいずれを満たしたか(①輸血不応性血小板減少の有無、②利尿剤不応性で3日以上続く体重増加またはベースラインから5%以上の体重増加の有無、③肝腫大の有無、④腹水貯留の有無、⑤3日以上続く総ビリルビン上昇または2mg/dL以上の有無)
Baltimore基準…診断日、移植後21日以内に総ビリルビン≧2mg/dLかつ以下の3つのうちいずれを満たしたか(①有痛性肝腫大 ②5%以上の体重増加 ③腹水)
修正Seattle基準…診断日、移植後20日以内に以下の3つのうちいずれを満たしたか(①総ビリルビン≧2mg/dL ②右季肋部痛+肝腫大 ③5%以上の体重増加/腹水)
SOS重症度…診断時および診断後28日目までの再増悪時の重症度
SOS治療…DF投与の有無(有の場合、投与量、開始日、終了日、終了理由)、組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)投与の有無(有の場合、投与量、開始日、終了日、終了理由)、その他SOS治療薬投与の有無(有の場合、投与量、開始日、終了日、終了理由)、胸水または腹水持続ドレナージの有無(有の場合、開始日、終了日、終了理由)、透析の有無(有の場合、開始日、終了日、終了理由)、人工呼吸管理の有無(有の場合、開始日、終了日、終了理由)
SOSの転帰…SOS診断後28日目の判定、SOS診断後100日目の判定
- 調査方法
研究代表者は日本造血細胞移植データセンター(The Japanese Data Center for Hematopoietic Cell Transplantation, JDCHCT)と委託契約し、JDCHCTより提供されるデータを用いて解析する。
研究代表者は二次調査票を作成し、JDCHCTに提出する。JDCHCTは「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」研究計画書の規定に従って参加施設から二次調査票を回収する。二次調査対象症例はJDCHCTから参加施設へ紙媒体の二次調査票が送られたのち、参加施設の研究者は全国調査登録時に付与された個人が紐づけされない全国調査専用の登録番号である造血細胞移植登録一元管理番号(一元管理番号)と移植日から調査対象を同定し、既存のカルテ資料から二次調査票に必要な情報を記載の上、JDCHCTに二次調査票を返送する。
JDCHCT 内でデータマネージャーが二次調査研究手順書に従って、二次調査票に記載された情報を、個人の特定につながらないよう、参加施設にて識別が可能な登録番号から JDCHCT にてさらに別の番号が付与された上で、本研究対象者の造血細胞移植登録一元管理プログラム(Transplant Registry Unified Management Program, TRUMP)既登録データと紐づけして、JDCHCTから研究代表者に提供する。これら提供データでは、患者が特定され得る情報(施設名、一元管理番号)を削除されており、日付データについては、移植日は移植年、その他の日付は移植(前)後日数に変換した値に代替されている。
研究期間
- 研究期間:倫理審査委員会承認後~2026年12月31日
調査期間
- 二次調査実施期間:倫理審査委員会承認後~2024年12月31日
- 二次調査票(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究計画書
- 二次調査研究計画書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
倫理審査結果通知書
- 国立成育医療研究センター 倫理審査結果報告書(ダウンロードいただくには、JDCHCT HP のWeb認証が必要です。)
研究組織
研究代表者:
坂口 大俊 国立成育医療研究センター 小児がんセンター 移植・細胞治療科
研究分担者:
田野島 玲大 横浜市立大学 次世代臨床研究センター
吉田 奈央 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 小児医療センター 血液腫瘍科
荒川 ゆうき 埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科
藥師神 公和 神戸大学 腫瘍・血液内科
仲宗根 秀樹 自治医科大学 分子病態治療研究センター 幹細胞制御研究部
研究参加施設および各施設の研究責任者
北海道大学病院 小児科 平林 真介
福島県立医科大学附属病院 小児腫瘍内科 佐野 秀樹
埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科 荒川 ゆうき
国立成育医療研究センター 小児がんセンター 坂口 大俊
東京大学医学部附属病院 小児科 加藤 元博
神奈川県立こども医療センター 血液・腫瘍科 柳町 昌克
横浜市立大学附属病院 小児科 柴 徳生
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 小児医療センター 血液腫瘍科 吉田 奈央
名古屋大学医学部附属病院 小児科 高橋 義行
岐阜市民病院 小児科 篠田 邦大
京都大学医学部附属病院 小児科 滝田 順子
大阪母子医療センター 血液・腫瘍科 佐藤 真穂
兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液・腫瘍内科 長谷川 大一郎
九州大学病院 小児科 大賀 正一
産業医科大学病院 小児科 本田 裕子
統計解析責任者
野間 久史 情報・システム研究機構 統計数理研究所 データ科学研究系
データ管理責任者
熱田 由子 日本造血細胞移植データセンター
個人情報について
研究者等及び研究機関の長は、個人情報の不適正な取得及び利用の禁止、正確性の確保等、安全管理措置、漏えい等の報告、開示等請求への対応などを含め、個人情報等の取扱いに関して、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の規定のほか、 個人情報保護法に規定する個人情報取扱事業者や行政機関等に適用される規律、条例等を遵守する。
「造血細胞移植および細胞治療の全国調査」では個人情報(プライバシー)を保護するため、患者およびドナーの氏名、現住所、電話番号を取得しない。本研究で用いるJDCHCTより提供されるデータは、研究対象者の個人の同定につながるような情報は含まないように加工されたデータである。
JDCHCTより提供されたデータは研究代表者、研究分担者、統計解析責任者で共有する。データファイルはパスワードロックをかけ、各個人が保有するパソコン内で保存し、USBメモリなど持ち出し可能な記憶媒体で保存しない。パソコンは施錠可能なロッカーに保管したり、チェーンロックでデスクなどに固定するなどして、各個人の責任の下、管理する。
問合せ先
本研究の詳細に関する相談窓口
国立成育医療研究センター 小児がんセンター 移植・細胞治療科
坂口大俊
〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1
TEL: 03-3416-0181
FAX: 03-5494-7523
研究対象者からの研究参加辞退に関しては、研究対象者が移植を受けた施設に相談する。